初めまして。訓練生のTと申します。
今回は私が個人訓練の一環の読書で読んでいた本をご紹介しようと思います。
ご紹介する本は小川哲『君が手にするはずだった黄金について』です。
小川哲は『地図と拳』で直木賞受賞、上記のタイトルも本屋大賞にノミネートされており、人気を博している作家です。
『君が手にするはずだった黄金について』は、4つの連作からなる短篇集です。
それぞれが「嘘」や「承認欲求」など、人間の内に潜む欲望などを題材にして書かれています。
また、主人公が作者である小川哲をモデルにした作家というところも特徴的です。
以下あらすじです
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
小説タイトルであり、表題作である『君が手にするはずだった黄金について』は、高校時代に友人だった男が、いくつものみえっぱりな噂を経て億の金額を動かすトレーダーになり、その後の転落を、作家の「僕」が見つめるという話です。
『承認欲求』という言葉はSNSが身近になってから目につく言葉になりました。
人に認められたい…あこがれの的になりたい…という気持ちはあんまり無いよなぁと思いつつも誰しも一度は考えたことのある気持ちだと思います。
仮にそんな欲求に夢中になる人が近くにいたとして、私だったら「痛々しい」「そんなことできるわけない」と正直感じてしまいます。
でも、自分も人の中心にいたいなと考えなかったことはないので、あらすじの通り笑えない気持ちも生まれてくるのです。
「ほら無理だったね。当然!」と自信満々に言えるような立場ではないと自覚の心が生まれ、読んでいるときはなんともいえない、砂を口に含んでいるかのようなむなしい気持ちになってしまいました。
これもある意味、承認欲求を求める人たちに対しての共感や同調なのかなと思いました。
あらすじの通り本作にはトレーダーになった友人のほかにも、人のオーラが見えると言う占い師や意味深にロレックスの時計を巻く漫画家が出てきます。
皆それぞれ思惑があるようで何かしらの承認欲求を求めて作家の「僕」の前に現れます。
作家という中々知ることのできない職業の追体験をできるところも本作の魅力ではないかと思います。
物語や人を書く作家という職業が承認欲求に対して何を感じるのか…読後感は人それぞれではないかなと思うので、是非手に取って読んでみてほしいです。
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Tさんありがとうございました。
訓練の中で、こういったブログをお願いすることもございます。
次回の訓練生ブログもお楽しみにしてください(^^)/
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