東京都指定障害者就労移行支援事業所のヒューマングロー

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就労移行支援事業所ヒューマングロー

作業系の職務経歴から一転、一般事務職で就職|うつ病のある方の就職事例(40代・男性・事務職)


作業系の仕事で働くも、負担の少ない仕事を求めて転職

Fさんは、これまで屋内の電気工事や車の板金塗装、トラックの運転手など一貫して作業系の仕事を5社経験してきました。

4社目在職中に座骨神経痛の診断を受けて以来、痛みをいかに和らげるかに苦心しながら過ごすように。同じ作業系の仕事でも身体に少しでも負担が少ない仕事を求めて、転職もしました。


神経痛からうつ病の発症

しかし症状は一進一退。やがて慢性的な痛さからくる不眠や不安感に悩まされるようになり離職。そしてうつ病の診断を受けます。

うつ病により定期通院をするようになったとある日、通院先のメンタルクリニックの待合室の隅に並んでいた何社もの就労移行支援会社の案内パンフレットの中で目に飛び込んできたのが、『「働きたい」「就職したい」を応援します』と、ひときわシンプルにわかりやすく大書きされた、ヒューマングローのパンフレットでした。

※座骨神経痛:下半身に広がる坐骨神経がさまざまな要因で刺激を受け、下半身にしびれや痛みを引きおこす症状を主とする病気です。治療では「痛みをとること」が重視され、手術のような方法は使わず、運動や薬を飲むことで治療をおこないます。


自分に合った仕事で就職するための目標設定

Fさんの通所が始まりました。Fさんは、人見知りで決して多弁な方ではありませんでしたが、真面目で誠実なお人柄はアセスメント(=訓練中の評価・観察)の中でもすぐにわかりました。

「自分は自分は」では決してなく、常に周囲の訓練生への「さりげない声がけ」や「傾聴」する姿勢からも、ご年齢相応に成熟し備わっている社会性も感じられ、職場でも愛される人柄である事が容易に想像できました。

Fさんと話し合って決めた就職目標は、
・体調を安定させるために、規則正しい生活リズムの確立
・長く働いていくために、次の仕事は身体に負担をかけずに働ける事務職を目指す
の2点でした。


うつ病と向き合いつつ、就職への諦めない気持ち

うつ病の特性上、気持ちの浮き沈みは避けては通れません。訓練期間中、うつ症状が悪化し数ヵ月の間全く通所ができない時期もありました。

それでもFさんは決して就職への目標を諦めませんでした。
Fさんの場合、うつ病は神経痛が主原因。そのため神経痛をコントロールができれば、日々の生活も安定して規則正しく過ごせるようになり、目標である安定就業へのハードルも下がります。

そこで、メンタルクリニックの医師とも連携しながら不眠、ひいては気持ちが沈む原因となる痛みを少しでも和らげられるように
・訓練時間外では定期的なリハビリ運動を取り入れる
・訓練時間内においては少しでも身体への負担を取り除くための休憩の取り方や、休憩時の小運動
これらをスタッフと相談しながら地道に試行錯誤をしました。


勤怠の安定性をアピールできる無遅刻無欠席

その結果、少しずつ体調も安定するようになり、通所期間の最後の半年余りは無遅刻無欠席で通うことができました。

就職活動も、あがり症のFさんには面接はとてつもなく大きなハードルでしたが、何度も繰り返し面接の練習を重ねました。
また企業実習にもチャレンジし、何社かの面接不合格にも挫けずに、希望していた事務職での就職を決めることができました。


入社後の不安解消する自己紹介カード

いよいよ入社するにあたりスタッフが一番心配していたのは、人見知りするFさんが「職場で他の社員の方々と仲良くなれるだろうか」でした。

ただでさえ事務の経験がほとんどなく、不安だらけの気持ちでスタートするのは間違いないFさん。
新しい職場でスムーズに人間関係が築けるか、うまくコミュニケーションがとれるか、しかもその配属部署は全員女性社員だけの課で、Fさんだけでなくスタッフにとっても、不安は想像して余りあるものがありました。

そこで、(Fさんに事前に了解を得た上で)人見知りのFさんが少しでも早く職場に溶け込めるように、周囲の社員の方々からも気軽に声をかけてもらえるように、少しユーモアを交えた「自己紹介カード」を作成して、入社前に企業の人事経由で配属部署社員の方々に配布していただくようお願いしました。

そのカードには、Fさんの趣味・嗜好、好きなテレビや歌手・お笑い芸人、カラオケで歌う18番等々、Fさんの人間味感じられる情報を盛り込んでいました。

そして効果は期待通り!Fさんからは入社早々「自己紹介カードのおかげでみなさんから気軽に声を掛けてもらえているんです!」と、嬉しいメールがスタッフに届き、ホッと安堵しました。

現在も元気に就労中のFさんとは、一ヵ月に一度の割合で、入社後フォローの対面面談を行っています。
「まだまだ半人前で、仕事を周囲の先輩方に教わりながら頑張っています」と、ハニカミながら話すFさん。
ヒューマングローに通っていた時と変わらず、今も職場でコツコツと地道に努力をしているFさんの姿が目に浮かびます。




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