東京都指定障害者就労移行支援事業所のヒューマングロー

障害者の就職を支援する
就労移行支援事業所ヒューマングロー

自分への自信を取り戻し、障害者雇用で事務職として就職|うつ病・適応障害のある方の就職事例(30代・男性・公務員)


業務負荷から適応障害やうつ病の発症、そして休職と仕事復帰の繰り返し

Kさんは専門学校を卒業後、地元の区役所に公務員として就職、
持ち前の几帳面な性格と事務能力の高さを活かし、日々、窓口での区民対応からバックオフィスでの事務処理まで、幅広く活躍していました。

地方公務員の数は、平成7年の行政改革による定数削減や団塊世代の大量退職・採用抑制等など一貫して減り続けており、どこの役所も最小限の人員体制の中で仕事をこなしています。

Kさんが配属された区役所の部署でも、一人ひとりの業務負荷がとても大きい環境でした。Kさんの上司にあたる先輩が仕事に必要なレクチャーを全くしてくれないという事情も重なり、Kさんは身も心も疲弊、次第に身体が悲鳴をあげ始めました。

気力喪失、食欲不振、不眠、頭痛などの症状があり、医師からは適応障害(のちにうつ病)との診断を受けました。
休職と復職を繰り返すなか、うつ病を起因とする過敏性腸症候群(IBS)も発症し、いよいよ通常の勤務が困難な状況になりました。

家族や産業医とも相談をしながら、障害への配慮が期待できる障害者枠であれば長く働けるのでないかと考えた末、障害者手帳を取得。同時に、10年近く勤務した区役所を退職しました。

※過敏性腸症候群(IBS)とは、主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称で、検査を行っても炎症や潰瘍といった器質的疾患が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛とそれに関係する便通異常が繰り返し発生する機能性消化管疾患です。
この症状は精神的なストレスや生活の乱れによって引き起こされることが多いため、症状を改善するにはこれらの要因を解消することが基本となります。ストレス起因の場合は、ストレッサーの除去、薬物治療が行われることが多いほか、認知行動療法も有効と言われています。


障害者雇用での就職を目指して就労移行支援を利用

役所を退職後、次の就職に向けてKさんが考えたことは、次の二点でした、

①体調を整えて崩れた生活リズムを立て直すこと、
②うつ病や適応障害について適切なサポートを受けながら、障害者雇用枠で長く勤務できる仕事に就くこと、

これらの希望を叶えられそうな近隣の就労移行支援事業所をインターネットで調べました。
いくつかの就労移行支援事業所に相談や体験し、最終的に利用を決めたのがヒューマングロー梅島でした。

ヒューマングロー梅島の就労移行支援を選んだ理由をKさんにお伺いすると、
・充実した訓練プログラム
・事業所のゆったりとした雰囲気
・学校のように規則だらけでなく、伸び伸びと過ごせそうで自分の性格にあっている
などが良かったそうです。

Kさんの場合、10年近くの豊富な事務経験やPC操作・対人折衝経験もあり、ビジネススキルについての心配はありません。

通所を開始した当初は、Kさんもスタッフも、週3日位ほどのペースで身体を慣らし、1〜2ヵ月後には週5日通えるように。そして半年後には次の就職も決まるイメージを持っていました。

実際、通所を開始した当初は、環境も新たにせっかくの機会だからと未経験の簿記の勉強やエクセルの高度な関数の習得にも意欲的に取り組むなど、再就職への道を順調に辿るかに思えました。


うつ病の再発や新型コロナウイルス拡大による在宅訓練への切り替え

しかし待っていたのは、まさかのうつ症状の再発とIBS(過敏性腸症候群)による体調悪化の日々でした。
そこから約1年の間、数ヵ月単位で、体調が崩れては家に引きこもり、体調が戻っては通所を再開しを繰り返す日々。
ちょうど新型コロナの感染拡大・縮小が繰り返される頃で、ヒューマングローでの訓練も行政からの指導で在宅訓練に切り替わるなど、Kさんにとって「生活リズムを整える」ことは決して容易ではありませんでした。

やがて体調が少しずつ安定するようになり、障害者雇用求人への応募を始めてみても、1社2社と面接で落とされると途端にうつ症状やIBSによる体調悪化で家から出れなくなる状態の繰り返し。

いつの頃からかKさんの気持ちは、書類選考で落とされるのが怖くて求人へ応募ができず、「もう仕事に就けないかもしれない」という、とても後ろ向きなものになっていました。
Kさんにとってもスタッフにとっても悩ましい時期でした。


焦らずに面談を繰り返し、取り戻せた自分への自信

スタッフは、Kさんのかかりつけの心療内科の先生とも連携をし、体調の好不調を繰り返している時期はKさんを見守る事に徹しました。

就職活動に必要な情報を常に準備しながら、ひたすらKさんがストレスなく自主的に動ける時期を待ちました。具体的に当時、スタッフが意識して取り組んでいたのは、Kさんとの面談でした。
通所できた日は5分でも10分でも必ず時間を設けて、Kさんの夢や趣味の話しを聞きながら、自己肯定感や自己効力感が少しずつでも上がるよう意識した声がけ、会話を心掛けました。

体調の好不調はありながらも、いつの頃からかKさんの気持ちの中に戻ってきた、
・役所の第一線で頑張れていた自分に対する自信
・就職は”ご縁”と”タイミング”という覚悟
というKさんの決して諦めない気落ちと頑張りにより、就職活動の終盤は積極的に進めることができました。

企業研究、実習、見学、面接対策、面接後フォローなど、スタッフとの二人三脚での活動の結果、最終的には大手省庁関係の内定を複数いただき、そのうちの1社へ入社しました。


苦しい時期もあったけど、スタッフがいつも見守ってくれたから就職活動を続けられた

入社当初は時短勤務からスタートしたKさん。
段階的に勤務時間を増やし、現在はフルタイムで日々、新しい職場での仕事に励んでいます。

主な仕事の内容は、役所時代の経験も活かせる年金関連の事務業務です。
一ヵ月に一度、入社後フォロー面談でお会いすると、いつも、
「日々勉強することが多くて大変ですが、役所の時とは違って業務面でも体調面でもしっかりとサポートをしてもらえてとても充実しています!」
と、元気にお話ししてくれるKさん。

今も体調の波は少なからずあるようですが、すっかり自信を取り戻したKさん。
この様子であればこれからも頑張っていけそうです。

末永く元気に活躍していけるよう、ヒューマングローでも引き続きサポートをしてまいります。




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