東京都指定障害者就労移行支援事業所のヒューマングロー

障害者の就職を支援する
就労移行支援事業所ヒューマングロー

高校卒業後5年間の引きこもり期間を経て、ネクタイが似合うビジネスマンに|発達障害(自閉症スペクトラム)・不安障害のある方の就職事例(20代・男性・事務職)


自分に自信が持てず、5年続いた引きこもりの期間

幼少期から自閉傾向のあったYさんは、同級生の輪にうまく入れず、一人で過ごす事の多い日々でした。

成長するに連れて段々と症状も和らぎ、高校では初めてアルバイトを近所の飲食店で経験できるまでに社会性も身についてきました。

成長するにつれて人とのコミュニケーションがスムーズにとれるようになってきたYさんは、年上や年下の人とはスムーズに会話ができるようになりました。

しかし同級生に虐められた時期が長かったこともあり、自分と同年代の人に対する「不安感」や「劣等感」「苦手意識」は克服できずにいました。

そして自分の人生に対しても前向きな気持ちが持てず、高校を卒業後、進学も就職も選択することができず、家にひきこもってゲームの世界に逃避する日々を約5年間過ごしました。

Yさんはこの頃を「自分に自信がまったく持てず、仕事にも就けずこうしてずっと生きていくのかな~と漫然と過ごしていた」と振り返ります。
自己肯定感も自己効力感もとても低い時期だったようです。


障害者枠で働く社員の姿が、人生を大きく変えるきっかけに

時々単発のアルバイトをしては、家でゲームをする日々、、、そんなある日、たまたま親の仕事先で障害者枠で働く社員の姿に触れる機会があり、Yさんは”衝撃”を受けました。

「苦手な事を抱えながらでも、こんなに活き活きと働くことができるのか・・・」

それからのYさんは、家族と一緒にネットや知人から「障害者手帳」の制度の事や「障害者雇用枠で配慮を受けながら働くメリット」を調べ、「これだ」と動き出しました。


障害者手帳の取得へメンタルクリニックへ通院

道しるべとなる目標を見つけたYさんは、持ち前の素直さと真面目さで行動力を発揮します。

まず、障害者手帳の交付の可否を確かめるためにメンタルクリニックへの通院を開始しました。
幼少期に比べ特性はとても軽くなっているようだとの診断を受けましたが、半年後に発達障害で障害者手帳(精神保健福祉手帳)の交付を受けることができました。

次に、社会人経験のないYさんは「就職するためには、就労に向けたビジネスマナーやPCスキルの習得が必要だ」と考え、その方法として就労移行支援サービスがあることを知りました。

そして住まいの周辺にある就労移行支援事業所が複数あることを確認し、それぞれを見学・体験をする中で、ヒューマングローを利用することを決めました。

ヒューマングローを選んだ理由は、他の就労移行支援事業所と比べて、
・幅広く用意されている訓練プログラム
・落ち着いた雰囲気で自分のペースで訓練に取り組めそう
・運営スタッフがみんな親身にサポートしてくれそう
・学校のように規則だらけでなく伸び伸びと過ごせそうな雰囲気が自分の性格にあっている
以上の4点とのことでした。


ヒューマングローでの職業訓練、そして内定・就職へ

Yさんのヒューマングローでの訓練が始まりました。

学校を卒業してから約5年の間、家で家族とネットとゲームの世界で過ごしてきたYさんの課題は明快でした。

訓練の開始にあたりスタッフと決めた目標は、
・起床、就寝、食事、生活リズムをしっかり整えて規則正しい通所をする
・挨拶の励行、ポケットに手を突っ込みながら話さないなど社会人としてのマナーを身に付ける
・興味のあるPCスキルをより磨き、自己肯定感や自己効力感を高める
・苦しいことや苦手なことから逃げない
そして、
・利用期間の2年のうちに絶対就職を決める!
以上の5点でした。

時々やる気が低下して休みが増える時期もありましたが、その都度スタッフとの面談を重ねてモチベーションを取り戻し、訓練の期間はあっという間でした。

Yさんの持ち前の素直さで、周囲の利用者さん達とも年代の上下を問わず打ち解けれるようになり、ゲームで培った(?)ITリテラシーの高さが奏功しMOS資格も取得。

障害特性からコミュニケーションに難のあったYさんは、いつのまにか事業所にとって欠かせない重要なムードメーカーの一人になっていました。

そして、就労移行支援の利用期間も残り6か月、満を持して就職活動を開始!
不採用も乗り越え、データ入力のお仕事で大満足の就職を決める事ができました。

Yさんの就職活動の佳境のころは、連日TVニュースが国内の最高気温を報じている、夏の暑さがとても厳しい時期でした。

面接同行した際、面接直前の炎天下、企業の前で汗だくになりながらネクタイを締めなおしたり、
面接の帰り道、フライパンのような熱いアスファルトの上でYさんの革靴の踵(かかと)が溶け落ちて顔を見合わせて大笑いしたり。

いま思い返すと、Yさんと一緒に頑張った就職活動の日々が次々と目に浮かび、懐かしいひと夏の思い出です。

現在、Yさんは入社して半年余り。
1か月に一度の定着フォロー面談では、ネクタイを締めた姿もすっかり板についてビジネスマンの風格を漂わせ、少し「誇らしげに」(笑)、仕事の苦労話を聞かせてくれます。

順調に充実した仕事をしているようです。
末永く元気に活躍していけるよう、ヒューマングローでも引き続き見守ってまいります。




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