コロナ禍で職を失い、生活保護を受けることに
大学院を卒業後、日立製作所で研究員として働いていたTさん。
プロジェクトの目標達成を機に転職し、いくつかの会社に勤務しました。
2020年1月に東京で寮付きの運送会社に就職するも、コロナ禍により退職を余儀なくされたTさん。
その後は貯蓄を切り崩しながら生活するものの、体調を崩したことをきっかけに生活保護の申請を行い、一時宿泊施設に入所して生活することになりました。
宿泊施設からの早期脱却のため、就職を意識するTさん。
就労移行支援事業所の利用を生活保護のケースワーカーの方などと相談し、見学・体験を経てヒューマングロー葛西駅前を利用することを決めました。
障害特性に合った職種選択の提案
利用開始後、Tさんの就職イメージについてヒアリングをしました。
ご本人としては、これまでの経験を生かせるような研究職や運送関連の仕事に就くことをイメージしていました。
しかし支援員としては病気の発症の原因となった、締め切りに追われる業務は回避したほうが良いと考えました。
そこでまずは色々なプログラムに参加しながら就職の条件整理シートを作成し、自身の障害にあった職種を選択することを提案しました。
障害特性と仕事内容のミスマッチを回避する大切さを説明し、Tさんも納得しながら訓練を開始しました。
プログラムを通じて適性に合った仕事や職種を探る
生活リズムの安定をまず最優先と考え、最初は週3日午後通所からスタートしました。
そして段階的に通所時間と日数を増やしていくことを実施しました。
通所中は、一般的な就労に向けたプログラムへの参加やパソコンスキルの向上を目的に、各プログラムに積極的に参加しました。
またプログラムを通じて自身の適性などを見極めながら、職務経歴書の作成などにも取り組みました。
職場体験実習先に就職
令和4年7月、職場体験実習を通じて、運送業の軽作業職として就職することが決まりました。
主な仕事内容は、巨大な倉庫内にてローラで流れてきた荷物を、8トントラックに積み込む作業です。
単体では重たい荷物も、ローラで運ばれてくるので、重量の負担はそれほどなく働けます。
積み込みの補助業務から、今では積み込みの作業そのものを任されるようになりました。
そしてカーゴと呼ばれる台車に荷物を載せて運ぶ仕事も担当するようになるなど、任されることが徐々に増えています。
デスクワークではないので、体調管理が大切です。
就職後の定期面談では睡眠時間や休日の過ごし方、ストレス解消で行っていることなどをヒアリングしています。
体調を崩すことなく働き続けられるように、今後もサポートしてまいります。
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